悲願V近づく広島、黒田が思い吐露「ここまで積み重ねたものは誇りに」

「先のことは全然考えていない」

 25年ぶりのリーグ優勝へマジック2とした広島。8日の試合で広島が勝ち、巨人が敗れれば、マツダスタジアムでの優勝が決まる。自身としても悲願の瞬間となる可能性がある試合前、黒田博樹が報道陣の質問に答えた。

 試合前の練習時間には、普段の倍以上の報道陣が集まり、慌ただしい雰囲気が充満していた。「とりあえず何をやっていいかわからない」と冗談めかして話した黒田だが、優勝については「まだ実感がない」と落ち着いた様子だった。

 8日に遊手が決まらなければ、15日までマツダスタジアムでの試合がなく、地元胴上げの最後のチャンスになることが濃厚だが、黒田は「先のことは全然考えていない。今日の試合に関しては、自分は登板できないので、見守るしかない」と勝利は後輩に託した。

 今季はここまで8勝と、日本復帰後2年連続での2桁勝利にあと2勝となっているが、「自分としては先発数、登板数が勝ち負け以上に大事だと思っている。勝ち星と違って、なかなか評価もされづらい数字だが、ここまで積み重ねたものは誇りになっている」と自身の投手観を吐露した。

 優勝決定日が遅れれば、10日からの東京ドームでの登板が濃厚だが、「たとえそうなっても、気持ちはいつもと変わらない。どういう試合でもプレッシャーを持ってマウンドに上がることは変わらない」という黒田。カープで優勝するために広島に戻ってきたレジェンドの悲願が成就するのはもうすぐだ。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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