ダルビッシュ快投のカギはスライダーの復活 指揮官も絶賛「卓越している」

全95球のうち約1/3の30球がスライダー、投手コーチ「グッドラックと言うしかない」

 レンジャーズのダルビッシュ有投手が9日(日本時間10日)、敵地でのエンゼルス戦に先発し、6回2/3を3安打9奪三振1四球1失点(自責1)の快投を見せつけた。同点に追いつかれて降板したため、勝敗こそつかなかったが、地元メディアや指揮官は「卓越している」「圧倒的」と絶賛。快投の裏にあるスライダーの完全復活を指摘している。チームは8回にベルトレの27号ソロで勝ち越し、2-1で勝利した。

 地元紙「ダラス・モーニングニュース」電子版は、「ユウ・ダルビッシュがスライダーを再発見し、エンゼルスを圧倒する」と試合後の速報で特集。「ユウが主役」というコーナーではダルビッシュの宝刀復活に注目している。

 記事によれば、ダルビッシュはこの日、昨年3月のトミージョン手術以来最多となる30球のスライダーを投じた。「圧倒的な効果」と絶賛されるスライダー30球のうち、ストライクは20球、6度空振りを奪ったという。最近8試合のうち5試合で、ダルビッシュの投げたスライダーは10球に達しなかったそうで、快投のカギが“スライダー解禁”にあると指摘。この日は95球を投げて降板しているが、スライダーは実に全投球数の3分の1を占めていたことになる。

 バニスター監督もスライダーの効果を認める1人だ。指揮官は「あのスライダーは言葉を尽くせないよ。あのボールが決まりだすと、バッターはどうすることもできない。速球はもちろん、あらゆる球種が威力を増すことになる」と絶賛。「卓越している」とも評価したという。また、スライダーがより威力を増すようにフォームの微調整を提案したブロケイル投手コーチも「あれを投げられたら、もうグッドラックと言うしかない」と脱帽したそうだ。

 圧倒的な切れ味を誇るスライダーを取り戻したダルビッシュは、悲願のワールドシリーズを狙うレンジャーズにとって何とも心強い存在となりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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