田中将大、日本人初サイ・ヤング受賞のカギは新世代のスタッツ?

セイバーメトリクスが生んだ新世代のスタッツが示す真価

 サイ・ヤング賞投手に相応しい成績、活躍とは? 記事によれば、ロスチャイルド投手コーチは「奪三振数、投球回、防御率、少し古い考えかもしれないが勝利数も重要だと思う」と話したそうだ。9月16日現在の成績を見てみると、田中は防御率(2.97)ではリーグトップに立っているものの、奪三振数(160)は15位、投球回(193回2/3)は6位、勝利数(13勝)は10位タイという成績だ。この数字を見ると、サイ・ヤング賞に相応しいのは防御率だけで、受賞は現実的ではないように思える。

だが、いわゆる新世代のスタッツに目を向けると、少し話が変わりそうだ。9回あたりの平均四球数(1.58)と被出塁率(.270)はリーグ3位、勝率(76.5パーセント)と1回あたりに出す平均走者数を示すWHIP(1.06)はリーグ5位という成績。勝利への貢献度を示すWARは、米データサイト「ファングラフス」の試算では、セール(5.2)に次ぐリーグ2位(5.1)となっており、リーグ屈指の好成績であることが分かる。

 ロスチャイルド投手コーチは、現時点ではポーセロがサイ・ヤング賞に相応しいと考えているようだが、勝ち星こそ伸びないが“負けない”田中にもまだチャンスはある。「彼が受賞争いの議論に絡んでくるかは、残り数週間にかかっている。まだ登板機会があるだろうし、まだまだ決着したわけではないさ」と話し、今後の結果次第では、ヤンキースの屋台骨を支える田中が日本人初のサイ・ヤング賞投手になる可能性を否定しなかった。

 先発ローテ通りならば、シーズン終了までに少なくとも2試合は先発機会が回ってくるが、田中がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、日本人初のサイ・ヤング賞投手が誕生するのか、期待を込めて見守りたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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