「上位いじめ」続けるオリックス 守護神・平野がペナントの行方を左右する?

リーグVの行方を左右する難攻不落の守護神

 平野がいかに優れた投手であるかは、その他の数字でも十二分に示されている。奪三振率は毎年のように10を超え、3.5を超えると優秀とされるK/BB(1四球を与えるまでに奪う三振の数)もコンスタントに3以上を記録。特に2012年は1試合当たりの四球率は0.79、K/BBは16という異次元の数値となった。

 今年、平野は16日時点で26試合連続無失点を継続中。救援転向後としては最も低いながらも、奪三振率は8.63を記録。K/BBも3.31で、WHIPも0.94と2012年以来の1以下でシーズンを終えそうだ。常時140キロ台後半、最速では154キロを記録するストレートと、落差の大きなフォーク。ここにスライダーと、時折カーブも織り交ぜる。中でも低めギリギリに決まるストレートは打者も手が出せない、まさに「難攻不落」の存在となっている。

 オリックスは17日からソフトバンクとの3連戦を迎えている。さらに26日には1試合ながら日本ハムとの対戦も控える。日本ハムにとってこの1戦は、21、22日のソフトバンクとの直接対決後、すぐに札幌に戻っての楽天3連戦を終え、翌日この1試合のために大阪へ移動するという、ハードなスケジュールの真っただ中で迎える一戦(さらにその翌日には西武プリンスへ移動する予定)。上位2チームの差が拮抗している中では、1戦で潮目が変わる可能性も十分にあり、まさにオリックスがペナントの行方を左右するだろう。

 リーグの覇権の行方を左右する可能性がある、難攻不落の守護神。2014年、オリックスが悲願のリーグ制覇まであと一歩まで迫ったときに誇ったのが、その平野ら救援陣の盤石さだった。今年はリーグ優勝もクライマックスシリーズも可能性が消滅したが、上位との戦いで得られるものは、来季以降につながっていくに違いない。そしてその来季以降、チームの十八番である盤石継投のコアとなるのは、平野だ。

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