亡き恩師との“会話” ロッテ・サブローが野球人生を共に過ごしてきたノート

完成の域に達しようとしているノート

 当時のノートは今も大切に保管している。そしてその後も、何かあれば、ノートにメモをしてきた。それは若かった当時、アドバイスを必死にメモし、成長をしてきたことで身に付いた習慣だ。自分の考え方や、野球観、打撃理論を書き加え、ノートは今、完成の域に達しようとしている。ただ、中身に関しては「人に見せるものじゃない」とサブローは門外不出を決め込んでいる。

 9月25日、オリックス戦(QVCマリンフィールド、13時試合開始)。サブローは激動のプロ野球人生に幕を下ろす。メモをし続けてきたノートを、いったん閉じる時を迎えた。18歳でプロの門を叩き、ここまで走り続けてきた。壁はもちろんあった。辛い思いをして悔しさをたくさん味わった。それでも、いつも周囲には優しく見守ってくれる存在がいた。支えてくれる人がいて、一緒に厳しい道を歩んでくれたチームメートがいた。

 歩んできた道を振り返ると、決して平らな道ではなかったが、充実した日々だった。ここまでたどり着くことができたのは一人の力ではなく、いろいろな出会いに恵まれていたから。いろいろな人の想いをいつまでも忘れることなく、サブローはまた新たな人生を歩み始める。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara

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