引退の三浦大輔が激白 プロ生活の支えとなったこと、横浜に残したいモノ

理想のチームに「なったわけでないけど、なってきている」

――その経験が今の番長を作っている?

「そんな大それたものではないけど、大きな出来事でしたね。今こうやって笑い話にできるけど、当時は本当にもう周りに迷惑をかけていた。もし今自分の息子がそんなことをしたらぶっとばしますもん。間違いなく。もちろんうちの親も怒っていましたけど。来年うちの息子が、俺がそれをしたのと同じ歳になるんだけど、親になってみて、自分の息子がそういうことをしたら大変だよなって。親には多大な迷惑をおかけしていましたね」

――今の若い選手たちに何を伝えたいですか?

「一生懸命やるだけですよ。ずっと現役ができるわけじゃないし。1年ってあっという間だし。グラウンドに立つってことは、それだけの責任をもって立ってほしい。レギュラーを獲って毎日試合に出ていると当たり前のようになってくるけども、当たり前じゃないんだって。責任があるんだって。1人でやっているものじゃないっていうのがね。先発で投げて打たれて今日ダメだーって思って適当に投げてると、じゃ野手はどうしてるの? 野手もみんなも生活がかかってるっていうか、プロとしてやってるんだから、責任を持って一球一球投げてほしいし、一球一球打席に入って守備に就いてって。このグラウンドに立てるようにしてほしいなっていうことくらいですよ」

―――若い選手は落ち着いているなと感じます。

「しっかりとしたコメントを出す選手が増えてきたね。俺、あいつらの年の頃には“そんなこと知らん。そんな丁寧にしゃべられへんぞ”って思っていたけど。でも確かに俺らが若い時も上の方からは言われていたと思うんですよ。それが時代だと思うし。今の時代に合ったものがあると思うし良さがあると思うから。

 ただやっぱりグラウンドに立つ責任っていうのは今も昔も変わらないと思うんでね。そこはしっかりやってもらいたいと思う。みんなしっかりやってるけどね。みんな成長したもん。強くなってきた。勝つこともそうだし、取り組み方もそうだし、それが結果に表れれば自信にもつながっていくと思うし。今年なんてクライマックスに出られるんだから、クライマックスを経験して結果はどうあれ経験したことによってすごい成長できると思うんだよね」

―――番長が思い描いていたチームになってきていますか?

「なってきています。なったわけでないけど、なってきているのは見えるし、球場とファンとグラウンドが一体になって、戦っているなって。だって前はさ(7~8年前)、横浜対広島戦であんなにお客さん入らなかったもん。それが、今チケットを取るのが大変で、選手でも何枚までしか取れないとか、もうないですとかいうことがあるくらい。誰が想像したか。でも変われるんだってこと。だから俺たちも変われるし、変わってきたなってところ。

 まだ完成していないけど、横浜はいいチームになってきたなって。ちょっとこう他球団に自慢できるような、いいだろって。おまえのとこ大変だなって言われる時代は終わったかなって。他球団の人から同情されるのは悔しいですし、球団だけでなく現場の選手もそうですけど、『強くなってきたな。いけんじゃないの!』と言われる声は増えてきましたから。でしょ!?って。もっともっと強くなって、あの横浜に入りたいなって。あの横浜にいたんですか?って言われたい。そういうチームになってきたなって。これからもまだまだやることはいっぱいあるけど、楽しみですね」

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