引退のDeNA三浦、ラミレス監督の配慮で7回もマウンドへ 「感謝しかない」

6回終了で「ここまでだな」も…7回続投で雄平を空振り三振、ベンチで涙

 DeNAの三浦大輔投手が29日、本拠地でのヤクルト戦に先発し、6回1/3を12安打10失点で現役最終登板を終えた。6回終了時点で球数は116球。大量失点を喫していたが、その裏の攻撃で打席に立ち、7回もマウンドへ。雄平を空振り三振に切って取り、ファンからの大きな拍手に送られて降板した。その引き際には、アレックス・ラミレス監督の“番長”に対する敬意があった。

 6回に3失点を喫し、ベンチへと戻る三浦の目は赤く染まっていた。「6回に打たれて、次の打席は回ってこない。ここまでだな」。現役最後のマウンドになったと覚悟していた。しかし、ベンチに戻ると、ラミレス監督がサインを送っていた。番長の目から涙が溢れた。

「もう(投球を)見せられないと思ってマウンドを降りて監督を見たら、指を1本立てていた。次の回、1人だけいくぞって。行かせてくれるというのが嬉しかったので、自然と涙が出てきた」

 指揮官も振り返る。

「もちろん勝ちゲームをしたかったけど、三浦投手に勝ちをつけたい。5割を目指す。この線引きが難しかった。代えるなら、マウンド上で代えたいと思っていた。ファンから声援をもらってマウンドから降りてもらおうと。代打を送りたくもなかった。今日は多くのファンが三浦さんを見に来ていたので見せたかった」

 三浦は涙を目にためたまま6回先頭で打席へ。中飛に倒れると、7回のマウンドへ向けて準備を始めた。そして、最後は先頭の雄平を137キロの直球で空振り三振に仕留め、ナイン1人1人と握手。スタンドに丁寧に頭を下げながら、ベンチへと戻った。そして、溢れ出る涙をタオルで拭いた。

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