【森脇浩司氏の目】森脇浩司氏が振り返るパCS第1ステージ 勝敗分けたポイントは?

采配が光った工藤監督、ファイナルステージのカギとなるのは…

 昨年、工藤監督は次のステージで待つ栗山監督の立場だった。この第1ステージは日本シリーズ以上のプレッシャーだったに違いない。6回の続投の決断も見事で工藤監督にペナント以上の落ち着きと強さを感じた。素晴らしいキャリアに、第1ステージ突破の経験によって監督としての厚みを増し、更なる飛躍をされると確信した。

 また、伊東監督も見事だった。ロッテの特徴に粒ぞろいというものがあるが今年は特に投手陣に故障者が多く出た。その中で、持ち前の発想力と決断力を発揮し、Bクラスのチームにチャンスを与えなかった。勝負事に不可欠なしぶとさを自らのタクトでチームの隅々にまで浸透させた。選手は勇敢だった。どちらか1試合取るには何が必要かを学んだと確信する。伊東監督率いるロッテの来年が楽しみで仕方がない。

 これで日本シリーズは日本ハム対ソフトバンクに決まった。第1ステージと違いファイナルステージは1勝のアドバンテージが加わる。やはり両チームとも初戦の戦い方が重要になってくる。

 日本ハムはリーグ王者としてどっしりと構え普段通りの試合が出来るか。札幌の地に乗り込むホークスは2試合ノーヒットだった柳田に早い段階で彼らしい当たりのヒットが出るか。内川が好調なだけに柳田が復調すればより得点力があがるだろう。

 ホークスは初戦勝利が条件になると見る。プロ野球ファンを最後の最後まで楽しませるワクワクした試合展開を期待したい。

◇森脇浩司(もりわき・ひろし)
 
1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。現役時代は近鉄、広島、南海でプレー。ダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。11年に巨人の2軍内野守備走塁コーチ。12年からオリックスでチーフ野手兼内野守備走塁コーチを務め、同年9月に岡田監督の休養に伴い代行監督として指揮し、翌年に監督就任。178センチ、78キロ。右投右打。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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