22日に日本シリーズ開幕 12球団の“直近日本一”で起きたドラマや名場面は?

横浜の“マシンガン打線”に、中日の継投による完全試合も…

○DeNA(横浜) 1998年

 前年に選手の底上げを図った大矢明彦前監督の功績もあってリーグ優勝、日本一になった。権藤博監督が東尾修監督率いる西武と対戦。4勝2敗で日本一になった。前述したとおり、マシンガン打線と呼ばれた強力打線を擁し、ハマの大魔神こと佐々木主浩投手がクローザーで君臨。先発の野村弘樹、斎藤隆、三浦大輔ら、中継ぎの島田直也、阿波野秀幸ら投手陣が安定した成績を残した。

 日本シリーズは初戦が雨天中止。第1戦は芝生の濡れ具合などをうまく利用した1番の石井琢朗の頭脳プレーが光った。ボールが湿った芝で勢いが失われると判断し、セーフティーバントを絶妙に決め、チームを勢いづけた。石井琢のバントヒット、盗塁でこのシリーズMVPを獲得した安打製造機・鈴木尚典のタイムリーで先制。西武先発・西口文也からあっさりと得点を奪った。鈴木尚はシリーズ打率.480と猛打を見せ、石井琢は打率.364の大活躍だった。

○阪神 1985年
 
 シーズン中の甲子園球場での巨人戦でランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布がバックスクリーン3連発をマークした年。阪神は日本シリーズで、広岡達朗監督率いる西武を4勝2敗で下し、吉田義男監督が宙に舞った。

 なんといっても日本一の立役者はバース。第1戦の8回、西武松沼博から救援した工藤から先制3ラン。第2戦、第3戦でも本塁打を放ち、打率.368、8打点と大活躍した。また、バース、掛布、岡田、真弓明信ら中心選手だけでなく、主に6番打者だった長崎啓二も2戦連発。第6戦では満塁弾を放った。投手ではゲイルが2戦2勝。第6戦では完投勝利を挙げて、優勝に貢献した。

○ヤクルト 2001年

 小さな大打者、若松勉監督が率いた年。リーグ優勝をしたときは初めての栄冠だったため、優勝インタビューで「ファンの皆さま、本当にあの、あの、おめでとうございます」と戸惑いながら言ったコメントが笑いと温かさを呼んだ。現監督の真中満がリードオフマン、名手・宮本慎也が2番・ショート。3番からは稲葉篤紀、ペタジーニ、古田敦也、岩村明憲と続き、7番には現DeNA監督のラミレス、8番は勝負強い土橋勝征と抜け目のない打線だった。

 日本シリーズの相手は梨田昌孝監督(現楽天監督)率いる「いてまえ打線」の近鉄。ローズや中村紀洋ら強打者がそろったが、封じ込んで4勝1敗で日本一。投手陣は左腕・石井一久、最多勝の藤井秀悟、クローザーの高津臣吾が中心だった。また、第4戦の7回で1-1の同点から飛び出した代打・副島孔太の勝ち越しアーチも印象的だった。

○中日 2007年

 レギュラーシーズンは巨人が優勝を果たしたが、クライマックス・シリーズで落合監督の中日が勝ち抜き、2年連続で日本ハムと日本シリーズで対戦。4勝1敗で1954年以来53年ぶりの日本一を達成した。

 語り継がれているのは第5戦。先発した山井大介が8回まで完全試合ペースの投球も、リードした9回、マウンドには岩瀬仁紀が上がった。継投による完全試合。参考記録ではあるが、NPB史上初の出来事だった。オリックスを退団し、育成契約で中日に入団。支配下に這い上がった中村紀洋が主に5番を任され、打率.444でMVPに。お立ち台では涙を流すシーンも見られた。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY