日ハム勝因は中島卓「あの四球がすべて」 劇的勝利も「まだ状態は広島が上」

『体は熱く、頭は冷静に』逆転打を放った中田

 延長10回も、1死で西川が大瀬良から四球を選び、二盗を決めたことで大谷のサヨナラ打を呼び込んだ。「大瀬良の西川へのラストボールはいいボールでしたけどね…。ただ、フォアボールでランナーを許すと、失点につながるということですね」。結果的に2つの四球が広島にとっては痛かった。

 もちろん、8回は中島の四球の後に中田の2点タイムリーが出ていなければ、試合は終わっていた。目の前で大谷を敬遠され、“怒りの一打”を放った4番の打席について、野口氏は「冷静だった」と称えた。

「大谷に対してはベンチが敬遠の指示を出したわけですし、あれはあれで正解。間違っていたとは言えないと思います。ただ、中田がすごく冷静だった。ジャクソンに対しては真っ直ぐを待ちたい。ただ、(ボールとなった)最初の2球を見たことで、冷静にスライダーに合わせられた。中田は直球のタイミングで待っていたかもしれませんけど、スライダーを捉えられた。それは落ち着いていたからです。(阪神のコーチ)平田勝男さんがよく選手に言っていたんです。『体は熱く、頭は冷静に』と。あの打席の中田は、まさにそんな感じでした。『俺の前で敬遠しやがって』と熱くなっていたら、2球目までに手を出してしまっていたと思います」

 一方で、広島では6回途中で緊急降板した黒田の投球術が光ったという。現役最後の登板となる可能性もあったマウンドで見せた気迫の投球に、日本ハム打線は抑え込まれた。

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