移籍が好影響をもたらす? FA移籍後に成績を上げたパ・リーグの選手たち

2007年にはセからパに移籍した石井一久氏(埼玉西武)が日本一に貢献

 それ以外にも、2007年に東京ヤクルトから埼玉西武に移った石井一久投手も移籍後に活躍した選手のうちの一人だ。登板数、投球回ともに移籍前より減っているが、移籍初年度に自身7度目の2桁勝利を達成。さらに正捕手として細川選手が固定されていたことも良い効果をもたらしたのか、移籍前は8つだった暴投が、移籍後は1つに減少し、投球が安定。なお、この年の埼玉西武は4年ぶりのリーグ優勝を果たし、その勢いで日本シリーズ制覇、アジアシリーズをも制してみせた。これは石井一投手の活躍が大きく影響したことは間違いない。

 そもそもFA権というのは、長い期間チームに貢献した選手が取得する権利である。移籍を決断する理由は選手によって様々だが、一流選手といえども、新しい環境に飛び込む時にはあらゆるリスクがついて回る。特に異なるリーグのチームへ移籍すれば、球場の特徴や対戦相手の傾向も全く別のものになり、生活圏も試合ごとの移動距離も変わる。それまで積み上げてきた経験や感覚は、大幅な修正を余儀なくされるだろう。

 数年もがいて新しい環境に適応し、本来の力を発揮する選手もいれば、移籍によって新たな才能を開花させる選手もいる。多大なリスクがつきまとうとしても、慣れ親しんだ場所から離れ、新たな勝負をかける全ての選手たちの今後の活躍に期待したい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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