侍ジャパンU-23代表を世界一に導いた手腕 斎藤雅樹監督の懐の深さ

徹底した機動力野球、主砲・真砂の犠打で決勝進出をつかむ

 典型的だったのが、決勝進出権が掛かったスーパーラウンド第3戦メキシコ戦。同点で迎えた9回、先頭・乙坂智(DeNA)が敵失策で出塁すると、打率は4割超+3本塁打と絶好調だった主砲・真砂勇介(ソフトバンク)にも送りバント指令。結局、このバントが奏功し、日本はサヨナラ勝利で決勝進出を決めた。

「今回すごくよかったのは、投手力や守備力が揃っていたのはもちろん、足の速い選手が多かったこと。そうそうパワーでは勝てないんだけど、そういうこと(足を生かした戦術)だったら全然いける。みんなの意見がうまく合って、本当にうまい人選ができたなって思いますね」

 集まった選手たちは19歳から23歳。選手としては伸び盛りの世代だ。だからこそ、勝利を求めると同時に、選手たちには貴重な国際大会でしか味わえない様々な「経験」を積むことを期待した。

「若い時に国際試合を経験できることは非常にいいこと。まず、他のチームの選手に会えるっていうのがいいよね。僕なんかジャイアンツ一筋だったから、こうやって3週間近く他のチームの人と一緒にいるなんてなかった。このチームで得た経験は絶対に無駄になることはないし、U-23代表として戦ったことで、何かしら自分で感じたことがあると思う。それは人それぞれ違うことであって、自分のチームに持って帰って生かすのか、自分でいろいろ考えるのか。それは本人次第でしょう」

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