来オフに先発ローテ崩壊も!? ヤンキース補強案を左右する田中将大の契約

7年172億円超の大型契約についた付帯条項「4年目終了後に契約破棄可能」

 今季は14勝4敗、防御率3.07という好成績を残したヤンキースの田中将大投手。誰もが認める名門のエースとして、来季も先発ローテを牽引することが期待されている。2013年オフにポスティング制度を利用してメジャー移籍した右腕は、7年1億5500万ドル(約172億3000万円)という超大型契約を手にしたが、この時に特別付帯条項としてついていたのが「4年目終了後に契約破棄できる」という文言。その4年目に当たるのが、来季2017シーズンだ。来季終了後に契約破棄するか否かー。これから1年先の未来に下されるエースの決断が、今季のヤンキース補強策にも大きく影響を与えているという。米スポーツ専門局「ESPN」電子版が伝えている。

 ヤンキースが来季の田中に期待することは、もちろん今季以上の活躍だ。だが、今季に匹敵あるいはそれ以上の活躍をすれば、エース右腕の価値はアップ。さらに好条件の契約を勝ち取るため、ヤンキースとの契約を破棄する可能性が高まる。一方、不本意な成績に終わったり、万が一、怪我でシーズンを棒に振った場合は、契約を破棄せずにニューヨークにとどまる選択をするだろう。記事では「田中が成功するにせよ、失敗するにせよ、ヤンキースは振り回されることになる」としている。

 来季終了後には、左腕サバシア、右腕ピネダがフリーエージェント(FA)になる予定で、もし田中が契約破棄した場合、先発ローテの3本柱を一気に失うことになる。もちろん、セベリーノ、ミッチェル、セッサ、グリーンら若手投手の台頭に期待することもできるが、あまりに不確定要素が多い。そのため「キャッシュマンGMは、今オフの最大の補強ポイントは投手陣だ、と繰り返し話している」そうだが、今オフのFA市場における先発投手は手薄。めぼしい存在は今季後半ドジャースで活躍した左腕ヒルくらいで、来季オフのことを考えると「ヤンキースが左腕ヒルを獲得する可能性もあるだろう」と予測している。

 いずれにせよ、2017年オフに田中が下す決断で、ヤンキースは先発ローテの軸を失う可能性がある。今オフ中に先発ローテの軸となり得る戦力を獲得できるのか。キャッシュマンGMの手腕が試されることになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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