今オフも話題に 日米プロ野球選手の登録名&背番号が変わるワケ

メジャー球団に見られる“暗黙の了解”、調子に乗ってると見られることも

 球団スタッフが気を利かせていい番号を最初から与える場合もあるが、最初は与えられた番号を着るというのが暗黙の了解である。この掟を破ってしまうと、ベテラン勢から調子に乗った若手と見られてしまうこともある。

 選手の名誉のために球団名や選手名は触れないでおくが、ある選手がメジャー昇格を果たした時に○○番が欲しいと、リクエストをしてしまったことがあった。するとその話題はロッカー全体へ広がり、チーム内でもあまり良く思われなかった。選手の入れ替えが激しいメジャーリーグでは何年かメジャーに定着して、初めてメジャーリーガーと周囲から認められる。その時は、まだ1日もメジャーリーグの舞台でプレーしていない選手が、特権でもある背番号を自ら提言するという行為で暗黙の了解を破った形になってしまったのである。

 このようなことから、いきなり若い番号でキャンプに参加できる選手は少なく、どんなプロスペクト(有望株)であっても、最初は60番台や70番台の数字を背負うことが一般的だ。そしてシーズンを重ねることで「この選手はもうすぐメジャーリーグに定着する」という雰囲気を周囲が感じれば、急に番号が変わる場合もあるだろう。

 2013年にはボストン・レッドソックスに所属していた(今オフFAを迎えている)田澤純一選手も背番号が63番から36番へと変更された。この年のオフだけでもレッドソックスでは複数の若手選手の背番号変更が発表されたが、当時は近い将来にメジャーリーグで活躍するだろうと思われていた面子ばかりだった。ある意味、“若い”番号へ昇格することは、メジャーリーグの一員として認められる第一歩でもあるかもしれない。

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