松坂、ダルビッシュも達成できず 楽天・則本昂大の3年連続200奪三振の価値

松坂、ダルビッシュも達成できず

 分業制などの影響もあり、1980年頃からは両リーグともに、複数回どころか200奪三振自体が達成されなくなる年が増えてくる。2001年から2006年にかけて、西武(現・福岡ソフトバンク)の松坂大輔投手などが何度かその壁を越えたが、2年連続か隔年の記録となっている。2007年からは、北海道日本ハム(現・テキサスレンジャーズ)のダルビッシュ有投手が杉内投手とハイレベルな最多奪三振王争いを繰り広げた。しかし、メジャーリーグ挑戦の前年となる2011年までに、3年以上連続で200奪三振をマークすることは叶わなかった。

 66年間という2リーグ制の歴史の中でも、歴代でごくわずかの選手しか達成できなかった記録なのだから、則本が今年それを成し遂げたという事実は、やはり驚嘆に値する。

 打者からアウトを取り、無失点に抑え込む方法は、三振を奪うことだけではない。ゴロやフライを打たせて1球で仕留めることも、その手段のうちの一つである。その点、奪三振は最低でも3球を要し、その分、投手自身の負担も増すことになる。しかし則本のように、野球選手としてはそれほど大柄な体格ではない投手が、ダイナミックなフォームから自由自在に打者を切って取る光景は、見る者にとっては何ともいえず爽快で、同時に味方チームの勢いを加速させる力を持つ。

 また、最低でも3球を要する三振の数が多いにも関わらず、毎年のように200イニング近い投球回をこなしてくれる能力も非常に素晴らしいものであり、先発の柱として計算できることもチームにとっては非常に大きい存在であると言える。

 岸孝之投手がFAで新加入した来季は二枚看板としての活躍が期待され、2013年以来となる日本一を目指す。“醍醐味”の一つである則本の華麗なる奪三振ショーに期待し、どこまで連続記録を伸ばせるかに注目していきたい。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY