イチロー&田澤のマーリンズ、来季に向けて補強完了か…首脳陣自信と米紙

ヒル強化担当責任者「現時点での戦力に満足している」

 注目の強打者エンカーナシオンがインディアンスと契約合意と報じられるなど、ここへ来て大きく動き始めた今オフのメジャーFA市場。スプリングトレーニング開始まで2か月を切り、各チームは着々と戦力補強を進めている。そんな中、今オフにレッドソックスからFAとなっていた田澤純一投手を獲得したマーリンズは、一足先の補強をほぼ完了したようだ。地元紙「サン・センチネル」電子版が伝えている。

 今オフの補強ポイントとして、先発と救援の投手陣の強化を掲げていたマーリンズは、先発として右腕エディンソン・ボルケスと左腕ジェフ・ロックを獲得。さらに、救援補強として、田澤に加え、同じくレッドソックスからFAとなっていたブラッド・ジグラーと2年契約を結んだ。さらに、ベテラン捕手AJ・エリスとも1年契約を結び、満遍なく補強を進めた。

 記事では、数少ない残された補強ポイントとして「左腕リリーバー」と「一塁ボーアと併用できる控え選手」を挙げているが、23日(日本時間24日)にジグラー獲得に伴う電話会見を行ったヒル強化担当責任者は「現時点での戦力に満足している」と話し、今後の積極的補強には否定的な見解を示したそうだ。「左腕リリーバー」に関しては「クオリティーの高い投手であれば、左右の違いは関係ない」という見方で、現時点で唯一の救援左腕セルベンカもブルペン入りを争わなければならないという。

 また「一塁ボーアと併用できる控え選手」については「左腕に対しても(左打者)ボーアを多く起用していく」方針を示唆しており、野手の大きな補強は必要ないと考えているようだ。また、記事ではエリス獲得に伴い、以前にヒル強化担当責任者が「(捕手)リアルミュートを一塁起用することもある」と語ったこと、そしてディートリッチやロハスが一塁を守れることにも触れ、「もう1人一塁手を獲得してロースター枠を使うことを意味がないようだ」と結論づけている。

 元々、スタントン、イエリッチ、ゴードンら能力の高い若手野手に加え、イチローやプラドらベテラン野手もバランスよく抱えるマーリンズだけに「現時点の戦力で満足」というヒル強化担当責任者の言葉にも現実味はある。今季はあと1歩のところでプレーオフ進出を逃したマーリンズが、来季はどんなシーズンを送るのか注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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