海外で初めて日本球団名が冠スポンサーに 西武がカンボジアでの親善試合に協賛したワケ

海外で野球普及の好循環を生み出すために

 そして、ライオンズが次なる活動の場を求めていたときに、カンボジアで開催される親善試合の情報を知ることとなった。

 これまでの活動は選手、ファンから集めた野球道具などを「届ける」だけに終わっていたが、今回はカンボジア野球協会主催の国際親善試合を協賛するという形で、より多くの国のこどもたちへ野球を広げていくことが可能となった。今までやってきたライオンズの活動をさらに発展させ、広めていくための野球大会協賛だった。夏休みなどの期間にライオンズ主催試合でファンから寄付してもらった野球用具を世界中のより多くの子どもたちへ提供するきっかけができたのだ。ファン、選手、球団が一体となって行ってきた取り組みにより、野球用具が世界中の子供たちの手に渡っていくことになる。

 輸送費などの関係で1年に1か国を支援することに留まっていたライオンズにとっても、今回は試合の協賛となることで参加国全ての支援が可能となった。参加したチームにはライオンズの帽子、ユニホーム、そしてマスコットであるレオのぬいぐるみが配布された。さらには子供たちが気軽に野球をできるようにゴムボールやカラーバットも提供された。

 アジアではサッカーの普及が進んでいるが、その他の選択肢をもってもらうためにも各地でバットやボールを気軽に手にすることができる環境を少しでも増やしていきたい――。野球を知らない人が、アジアではまだまだ多い。競技人口が減ってきている現状があるため、野球の輪を日本だけではなく世界中に広げていく必要がある。野球に興味を持ったアジアの人々が、日本で勉強し、プレーをする。そして、再び自国へ戻って、指導者として野球の普及を進めることが1つの好循環を生み出す。

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