ロッテに息づく「フォア・ザ・チーム」 亡き名監督が遺したもの

昨年4月に死去、今もマリーンズを見守っていてくれる

 16年4月23日、長い闘病生活の末、山本さんは亡くなられてしまった。

「フォア・ザ・チーム」を掲げてから15年以上経つ。

 くしくも息子・武白志(むさし、※2)がプロ野球界に足を踏み入れたばかりだった。だが今でも、マリーンズのことをずっと見守っていてくれるはず。

「カモメたちよ、はばたけ高く、はばたけ強く」

 シーズンが始まる。今年も選手たちはヒットを打つたびに手を挙げる。

◆山本功児(やまもと・こうじ)
 1951年12月25日、大阪府出身。左投左打。75年ドラフト5位でジャイアンツ入団。84年オリオンズ移籍。コーチ兼任を務めた88年限り現役で引退。コーチ、監督として89~03年はオリオンズ、マリーンズ、04-05年はジャイアンツで指導した。

※1:公式戦18連敗
 98年6月13日から7月8日まで引き分けを挟んで18連敗。この記録はいまだに破られていない。マリン正面玄関で「おはらい」まで行われ、社会現象となった。

※2:山本武白志
 九州国際大付属高から15年育成ドラフト2位でベイスターズ入団。188センチ、92キロの恵まれた体格を活かしたスケールの大きいプレーで支配下登録を目指す。

【了】

山岡則夫●文 text by Norio Yamaoka
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。 Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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