DeNAでは30歳が“ベテラン” 平均年齢25歳のチームに求められる2人の力

ともに打撃不振に苦しんだ昨季からレギュラー再奪取を狙う

 だが、正二塁手として期待された石川は右肘の手術で出遅れ、4月上旬に1軍昇格。バントなど小技で仕事はこなしたが、肝心の打撃が打率.209と不振。95試合出場にとどまった。

 正右翼手として期待を集めた荒波は開幕スタメンをつかみながら、打撃不振でシーズンの大半を2軍で過ごした。自己ワーストの打率.195で出場36試合と貢献できなかった。

 ただ、ともに「経験」はチームでも屈指の存在であることは間違いない。

 石川は10年にリーグ2位の36盗塁を記録。主将も経験したリーダーシップで筒香ら若手の人望も厚い。今季、レギュラーを争う二塁は宮崎、エリアン、田中浩ら候補がいるが、三塁との兼ね合いもあって流動的。「凡事徹底」を掲げるチームにおいて、小技の利く背番号7は万全の状態でキャンプインできることを考えても、十分にチャンスはある。

 荒波はゴールデン・グラブ賞を2度受賞した名手。12年に24盗塁した俊足も持ち合わせており、昨季不調だった打撃面が上向けば、まだまだレギュラーを狙える力はある。左翼・筒香、右翼・梶谷が盤石なだけに、中堅の位置を昨季レギュラーだった桑原と争うことになりそうだ。

 生え抜き選手で最古参13年目を迎える石川は、今季への意気込みをこう語っている。

「若い選手も多いので、野球でも私生活でも模範となれるようにやっていきたい」

 初のCS進出から、さらなる浮上を目指すDeNA。30歳にしてベテランに分類されてしまう若いチームで、2人の力が必要となる時が必ず来るだろう。それに応えることができれば、19年ぶりの優勝も見えてくるはずだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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