「信じることをやめないで」 苦しむロッテドラ1佐々木を原点に返らせた唄

プロ1年目、戸惑う日々で原点に戻れる曲―馬場俊英「スタートライン~新しい風」

 最後は大きく曲がったスライダーで空振り三振を奪った。2回を投げて3奪三振、無安打、無失点。ストレートは148キロを計測した。石垣島キャンプで行われたマリーンズの紅白戦。黄金ルーキー・佐々木千隼投手は見事な実戦デビューを飾った。

「いやあ、緊張しましたね。地に足がついていなかった。結果が出て、よかったです」

 初めてのプロのキャンプ。しっくりと来ない毎日を送った。初めての環境になかなか順応できない。思い通りにいかず、もがいた日々を自身の右腕で憂さ晴らしをした。

 吉田裕太捕手をストレートで見逃し三振。荻野貴司外野手は大きく曲がるスライダーで空振り三振。根元俊一内野手のバットは伝家の宝刀・シンカーで空を切った。立ち上がりこそ、ボール先行になり、死球も当てるなどドタバタだったが、そこから開き直った。「いいところに投げようと思うな。アバウトでいい。その球なら例え真ん中に来ても簡単には打たれないから」。マスクを被る同じ年の田村龍弘捕手の助言を信じ、開き直って腕を思いっきり振る事だけを考えてミットめがけて投げた。

 キャンプ初日からチームで一番の注目を浴びた。ブルペンでは多数のテレビカメラがそのボールを追った。練習が終わるたびにメディアから質問を浴びた。これまで経験がしたことのない事。初めての経験に戸惑い、知らず知らずのうちに力みが生まれた。なかなかイメージ通りのボールが投げる事ができずに苦しみ、フラストレーションをためた。

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