キューバ代表マルティ監督が不敵な笑み「勝利の可能性は五分五分」

日本戦先発にはエンテンザを指名「力の限りを尽くす」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド初戦(7日)で日本と対戦するキューバは6日、東京ドームで前日練習を行った。

 練習終了後に記者会見に臨んだマルティ監督は、7日・日本戦の先発は31歳右腕のエンテンザと発表。初戦先発に抜擢した理由を「(台湾、韓国、大阪の)アジア遠征を終えた後で、日本と一番相性がいいのがエンテンザだという結論に達した」と説明した。だが、監督の後で会見に臨んだエンテンザは「実は1週間前から先発の可能性を聞いていた」と、うっかり舞台裏を“暴露”。「いい準備ができた。力の限りを尽くしたい」と、準備万端の様子だ。

 エンテンザは5日に行われた西武との強化試合で先発し、1死から2四死球と安打で満塁のピンチを作ったが、森を見逃し三振、木村を一ゴロとし、無失点で切り抜けた。188センチの長身から130キロ台半ばのツーシームの他、スライダーやフォークを繰り出すスタイル。「日本はいい打者が揃う。低めの制球で攻めたい」と意気込んだ。

 今回が4度目のWBC出場となる元巨人のセペダ外野手は、キューバ野球界では伝説的存在。今回のメンバーは20歳前後の若手選手も多いが、「明日(7日)の試合は重要。チーム第一でプレーしたい」とリーダーシップを発揮して、後進たちを勝利へ導くつもりだ。

 14時間の時差や気候の違いの他にも、キューバには不慣れな条件がある。国内には存在しないドーム球場や慣れない人工芝での戦いだ。天然芝とは打球の転がり具合や選手の体に掛かる負担が違ってくるが、指揮官は「韓国の強化試合でもドーム球場を使ったし、国際大会で人工芝の経験を持つ選手もいる。少しずつ適応できていると思う」と、懸念する様子はない。

 国際大会での初戦の重要さを訴えたマルティ監督は、勝利の確率を聞かれると「同じ人数で戦うのだから、勝利の可能性は五分五分。どちらのチームも同じだけ勝利の可能性を秘めている」と自信の笑顔。敵地・日本で「赤い稲妻」の異名を執るキューバの強さを見せつけられるか。その戦いぶりに注目したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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