選抜からプロの強打者へ 大谷、中田、森… 春の聖地から飛躍した男たち

清宮&安田と打者に有望ズラリ…大谷は選抜アーチで「二刀流」評価高める

 3月19日、甲子園球場で第89回センバツ高校野球が開幕した。今大会は早稲田実・清宮幸太郎内野手、履正社・安田尚憲内野手を筆頭に、打者に有望選手が多いのが特徴だ。それは試合展開にも反映され連日、打撃戦を中心に熱戦が繰り広げられている。

 現在、パ・リーグで活躍する打者にも高校時代、センバツで躍動した選手たちがいる。昨年パ・リーグMVPに輝いた「二刀流」こと北海道日本ハム・大谷翔平投手も、打者として存在感を見せたのがセンバツだった。花巻東3年春の2012年、大谷選手は大会屈指の好投手として注目を集める。その初戦で対戦したのが、好投手・藤浪晋太郎投手擁する大阪桐蔭だった。大会を代表する注目選手同士の対決とあって、試合前から盛り上がりを見せる。

「4番・投手」で登場した大谷は2回裏、打席が回ってくる。藤浪はカウント2-2から真ん中低めに緩い変化球を投じた。そのボールを、大谷は軸が崩れることなくうまくすくい上げる。打球はそのまま大きな放物線を描き、右翼席に吸い込まれていった。大谷の先制ソロで花巻東が先制。その後、4回の第2打席は四球。6回の第3打席は外角のボールをうまくはじき返すも、サードの正面を突くライナーに。9回の第4打席は遊飛。3打数1安打1打点の結果だった。

 試合は花巻東が2-0と試合中盤までリードするが、6回に大谷選手が大阪桐蔭打線につかまり、2-3と逆転される展開に。終盤にも追加点を奪われ、2-9で大阪桐蔭が勝利した。大谷は試合に敗れたが、2回の本塁打で「打者・大谷」として評価を高め、その後のプロ野球での「二刀流」につながっていく。

 その大谷と同じ北海道日本ハムの先輩である中田翔内野手も大阪桐蔭時代、センバツでその才能の片鱗を見せつけた。高校1年夏に夏の甲子園で活躍し、注目を集めた中田は、2年秋には秋季近畿大会で推定170メートルともいわれる一発を放つなど、高校球界屈指の長距離バッターとして評価を高めていった。

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