元女房役が大絶賛するカブス上原のスプリット「受けた中でもトップクラス」

速球派揃いのカブス救援陣の中で「ペースを変える効果」

 今季からカブスに移籍した上原浩治投手の決め球、スプリットが注目を浴びている。「41歳でもまだ効果絶大な上原のスプリット」と題した記事を掲載しているのは、地元紙「シカゴ・トリビューン」電子版だ。記事では、メジャーでは一般に肘に負担が掛かると言われるスプリットを投げ続けるベテラン右腕にスポットを当てている。

 今季ワールドシリーズ連覇を狙うカブスが誇るのが、鉄壁の救援陣だ。豪球左腕チャプマンこそヤンキースに移籍したが、2015年にロイヤルズで世界一守護神となった右腕デービスの獲得に成功。デービスに加え、ロンドン、エドワーズJr.、ストロップら、時速155キロを超える剛速球を投げる投手がズラリと並ぶ。彼らの中で異彩を放ち、「速球派揃いのブルペンでペースを変える効果」を発揮するのが、上原の投げるスプリットだ。この伝家の宝刀を使い、昨季は9イニングあたり12.06個の三振を奪い、メジャー通算93セーブを記録している。

 上原は昨季の投球数のうち約45パーセントでスプリットを投げたという。昨季限りで現役を退いたレッドソックスの元チームメイト、ロス氏は「スプリットの制球は目を見張るほど。速球を見間違えてしまう。受けた中でもトップクラス」と絶賛。さらに、カブスでコンビを組む若き捕手コントレラスは「上原のスプリットは沈みながら横にも動くため、対戦打者の目を惑わせる」と話したそうだ。

 メジャーではスプリットは肘に余分な負担を掛けると考えられており、持ち球にすることを奨励しない風潮もあるが、上原の見解は正反対。記事によれば「肘に負担が掛かる球種だとは思わないので、特別なことをするつもりはない」と話しているそうで、これまでと変わらずスプリットを武器にアウトの山を積み重ねていく姿を披露してくれそうだ。

 4月3日には42歳の誕生日を迎えるベテラン右腕。ともすると年齢ばかりが話題になりがちだが「首脳陣が契約したということは、僕にまだ余力があると思っているからでしょう」と通訳を介して話し、チームが寄せる信頼に全力で応える決意を見せたという。カブス世界一連覇に向けて、上原のスプリットが1つのカギになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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