独走“首位”ロッテの運命は? OP戦の成績はシーズン順位に結びつくのか
オープン戦最下位からリーグ優勝を果たした01年の近鉄
ただし、注意しなければならないのは、あくまで全体的にその傾向にあるというだけで、例外もそこそこ見られる点だ。極端なのが2001年の大阪近鉄で、オープン戦最下位ながらリーグ制覇を成し遂げた唯一のチームとなっている。打線は上記17チーム中最多の19本塁打をマークしたが、投手陣の防御率は同ワーストの7.30と壊滅的な数字だった。2000年以降の全チームで唯一となる、54奪三振を上回る59与四球を記録している。当然、下馬評は低かった。
この年の大阪近鉄は、開幕戦で「いてまえ打線」が5点のビハインドをはね返して乱打戦の末に10-9で逆転勝利を飾った。秋には、北川博敏選手がプロ野球初の「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定弾」を放ち栄光に輝いている。前年最下位からの優勝がパ・リーグ初なら、リーグワーストの防御率4.98での優勝はプロ野球初。日本シリーズに敗れて画竜点睛とはならなかったが、あまりにもドラマチックな物語はオープン戦からスタートしていたわけだ。
対照的なのは、オープン戦首位の勢いそのままにリーグ優勝も果たした2008年の埼玉西武、2014、2015年の福岡ソフトバンクの3チームだ。いずれも日本一にまで到達しており、特に2014年の福岡ソフトバンクはともに12球団1位の防御率2.00、打率.302をマークするなど2000年以降の最高勝率.882をマークする強さを誇った。日本一連覇を達成する2015年にもオープン戦最高勝率だったのだから、この2年間は敵なしである。
ちなみに、今年のオープン戦で1992年以来となる首位に立った千葉ロッテは日本一に輝いた2005年は5位、2010年は10位という成績だった。12球団ベストの13勝2敗3分は、千葉ロッテのシーズン成績とどこまで関係してくるか。今季を楽しむ上でのポイントの一つになりそうだ。
前述のように傾向は発見できたが、リーグ優勝チームとそのオープン戦での成績の関係ははっきりと紐付けることはできない。たかがオープン戦なのか、されどオープン戦なのか。今年も、答えは目の前に迫ったシーズン143試合の戦いから見つけ出すしかない。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」藤原彬●文