日ハム栗山監督、大谷の「本能」の走塁にダメ出し 「俺は本気で怒っている」

今季初勝利も大谷の全力疾走を咎める、「足が折れてもセーフになろうという選手」

 日本ハムの栗山英樹監督が1日、西武戦(札幌ドーム)で“猛打賞”をマークした大谷翔平に「明日説教します」とダメ出しした。禁止している全力疾走を咎めたもの。「分かっていないなら試合に出さない、と言ってきた。俺は本気で怒っている」。話題が大谷の走塁になると、今季初勝利の余韻も吹き飛んだ。

 問題の場面は、初回2死走者なしで迎えた第1打席。二遊間へのゴロを打った大谷が一塁へ全力疾走し、痛めている右足でベースを踏んだ。結果は二塁内野安打。もちろん、左足でベースを踏む練習をしてきた大谷が意図的に右足で踏むわけがない。「とっさに出てしまった。なるべく左で踏みたい。公式戦では難しいけれど、やらなければいけない」と大谷は冷静に語った。

 3回にも周囲をヒヤリとさせた。左中間フェンス最上部を直撃する当たりを「ファウルゾーンに飛んだのかなと思った」と一瞬見失った。慌てて走り出し、右足でスライディングして二塁へ到達。「スライディングもしない方がいいけれど、そんなわけにもいかない」と大谷。右足首の状態は「大丈夫です」と大事には至らなかったことが幸いだ。

 公式戦に入り、栗山監督の心配が的中した。「ああなることは分かっている。足が折れてもセーフになろうという選手。本能として走るに決まっている。止めるのは難しい」。だからこそ、指揮官は怒気を含んで苦言を呈した。

 開幕前日には「たった1回の走塁のために、何か月も試合に出られないというのはチームの戦略として避ける。その選択肢をとってキャンプからやってきた意図を翔平も分かっているはず」と語っていた栗山監督。投手・大谷だけではなく、開幕2試合で8打数5安打とチームを牽引する打者・大谷まで欠くわけにはいかない。大谷を守るため“鬼”になる。

【了】

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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