ヤンキース再建計画に脆さ 我慢の年を印象付ける序盤戦

本格的な再建に乗り出したヤンキース、今季「我慢」を強いられるのか

 昨季、ベテラン選手を次々と放出し、マイナーに有望な若手選手を多数揃えることに成功したヤンキース。あとは常勝を義務づけられた宿命を背負いながら、我慢強く若手を育て上げることができるか。これまでも、ジャイアンツのレギュラーに定着したヌニョス内野手やロイヤルズのケネディ投手ら、育てきれずに放出した若手が他球団で活躍したケースは多い。

 今季、先発ローテーションに入っている23歳のルイス・セベリーノ投手にしても、昨季期待外れに終わったため、地元メディアからリリーフ転向を推す声が上がっている。通算22試合の登板だけで先発失格の烙印を押されてしまうところが、名門球団に所属する有望株の辛いところ。2015年に22勝を挙げてナ・リーグのサイ・ヤング賞を獲得したカブスのジェイク・アリエッタ投手は最初の22試合時点で8勝8敗、防御率は4点台後半とパッとしなかった。

 実力のある若手がどのタイミングで才能を開花させるか予測するのは難しい。昨シーズン途中から本格的な再建に乗り出したヤンキースにとって、今年は「我慢」を強いられる年になることが予想される。開幕からの1週間余りで、その印象はさらに強まった。

【了】

伊武弘多●文 text by Kouta Ibu

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