ロッテ涌井、強風も「味方にして」初勝利 伸びる直球生かし「力で押した」

もえ夫人も「どこかで見ているでしょう」

 常時13メートルから14メートルの強風。試合前には一時17メートルと球場の外では立っていられないほどマリン名物の強風が吹き荒れたが、フォーク、スプリットは風を利用して鋭い変化を生んだ。

 打のヒーロー細谷とお立ち台に立った涌井は「ファンの皆さんより喜んでます。とにかく腕を振って、ストレートが(風で)伸びるのはわかっていたので、力で押した」。前夜の14日は1点リードの9回2死、フルカウントから抑えの益田がメヒアに逆転2ランを浴びていた。それだけに、チームにとっても大きな一勝だった。

 開幕から2週間以上たってようやくの初白星。涌井は、新妻の押切もえ夫人について「どこかで見ているでしょう」と照れ臭そうだったが「(とにかく)勝ちがついたこと。次は唐川、石川に勝ちをつけてあげれば、また乗って行けると思う」。4回の細谷のタイムリーの1点を大谷、益田のリレーで必死に守り切っての苦しい勝利だったが、チームにとっての最大の良薬は白星以外にない。

【了】

細野能功●文 text by Yoshinori Hosono

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