先発マスクで7勝3敗 ソフトB甲斐「何とか千賀を助けたい」とプロ1号満弾

プロ7年目での初アーチが逆転満塁弾、初お立ち台に「最高ですね」

 大きな意味を持つプロ初アーチとなった。ソフトバンクの甲斐拓也捕手。2日の西武戦(ヤフオクD)で、プロ7年目で放った初本塁打は、試合をひっくり返す逆転のグランドスラムだった。

 2点ビハインドで迎えた2回。2死満塁で打席に入った甲斐は挽回に燃えていた。「何とか千賀を助けたい、何とか取り返したいと思って必死に振っただけです」。初回2死一塁で、いきなり西武4番の中村に先制の2ランを浴びた。甘く入ったスライダーを完璧に打たれた。千賀をリードする身として、2失点の責任を感じていた。

 西武先発のキャンデラリオが投じた6球目。2ボール2ストライクから、内角高めへの真っすぐだった。短く持ったバットを振り抜いた打球は、快音とともに左翼ホームランテラス席へ。スタンドは割れんばかりの大歓声に包まれた。プロ初アーチが、逆転の満塁ホームラン。プロに入って初めて立ったお立ち台で「何とか打てて良かったです。(お立ち台は)最高ですね。本当にありがとうございます」と語った。

 3回の第2打席でも外角のボールに食らいつき、中前安打。その後にはプロ初盗塁も決めた。ともに10年の育成ドラフトでプロ入りした千賀との“育成出身同期バッテリー”は、6回まで初回の2失点だけ。「千賀がよく頑張ってくれている」と自身は右腕に感謝するが、女房役の力も大きい。

 プロ入り後初めて、開幕1軍の座を掴んだ甲斐。この日は5打数2安打4打点。初本塁打を皮切りに打線が爆発し、17安打14得点を叩き出した。これで先発マスクを被った試合は7勝3敗。日増しに高まる背番号62の存在感。正捕手の座を、着実に手繰り寄せている。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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