2戦で3発10打点のソフトB上林が見せたメンタルの成長「満足はしていない」

期待に応えられなかった2016シーズン「去年は打席に行く前から負けていた」

 6回1死一、三塁では、その高橋光のフォークを、体勢を崩しながら、中前へ運んだ。追加点を生む適時打に「ああいうヒットは(これまでも)打っていたので。ああいうヒットが出ると率も上がってくる」。一時、打率は3割台に乗った。現在の好調の要因を「追い込まれると難しい。積極的にいけているのがいいのかな。追い込まれたら、あとは気持ちじゃないですか」という。

 昨季も、覚醒を期待されながら、オープン戦から結果が出ず、シーズンを通して不本意の1年に終わり「去年は打席に行く前から負けていた。打てる気もしなかったし、打席に行きたくもなかった」。それが今は「慣れもあるし、余裕も出て来ている。こう来るだろうなというのが当たったりしますし」という。メンタル面の変化、成長が、打撃を下支えしている。

 ここ2試合で3本塁打10打点と驚異の活躍にも「満足はしていないですよ。悪くはないけど、めちゃくちゃ良くもない。普通ですね」と言うから、末恐ろしい。ソフトバンクの未来を担う上林。覚醒の気配が、プンプンと漂っている。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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