DL前田健太の軽症主張…ドジャース監督が10日間DL利用の新起用法を示唆

選手層の厚さと10日間DLの相乗効果

 では、なぜDLしたのか。それにはチーム事情と今季から採用されている10日間DLの存在が関わっているという。今季の開幕からドジャースは7人の先発投手を起用し、前田はDL入りする4人目の投手。この日戦列復帰したリュ(左臀部の打撲)、10日にマイナーでリハビリ登板したヒル(左中指のマメ)、そして8日には左肩の痛みでマッカーシーがDL入りしている。ヒルも復帰間近と言われ、先発ローテ5枠を超える人数の投手がメジャーで投げられる状態にある。つまり、長いシーズンを見越した場合、少しでも身体に異変を感じたり、状態が上がらない投手がいれば、無理に起用せずに100パーセントだと感じるまで“休ませる”余裕があるというわけだ。

 また、昨季まで15日間だったDL期間が10日間に短縮されたことも大きな要因だ。従来の15日間DLの場合、先発投手は少なくとも2度先発予定を飛ばさなければならなかった。だが、10日間だと先発予定を1回飛ばせば戦列復帰できるため、より“手軽”に使える制度となった。大怪我や重症に至る前に対処できるため、選手の健康状態を保ちやすい環境になったとも言えるだろう。

 この2点を踏まえ、ロバーツ監督は「今のように選手層が厚ければ、1人1人の負担を減らして、9月中もバテずに過ごせるように配慮するだろう」と話し、今まではDL入りさせなかった怪我や状態でもDLを積極活用するとしたそうだ。

 10日間DLの出現で、ドジャースに限らずメジャー全体として、選手起用のスタイルが変化していくのかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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