工藤監督も熊本への想い吐露 ホークスが被災地に捧ぐ白星

復興支援活動を継続してきたソフトB、工藤監督「勝つところを見せられて良かった」

 この窮地を凌いだポイントを、指揮官も「岩崎くんがああやって、外野フライも許せないところで抑えてくれた。熊本のみなさんが勝たせてくれるかのように、いいところにボールが落ちた」と語った。

 9回にも守護神サファテが2死二、三塁のピンチを背負ったが、最後は伊志嶺を空振り三振に仕留め、藤崎台球場に歓喜の瞬間が訪れ「良かったね。最後はちょっとヒヤヒヤしたけどね。勝つところを見せられて良かった」と工藤公康監督も汗をぬぐった。

 熊本地震後から、復興支援活動を継続してきたソフトバンク。昨季は選手による募金活動を何度も行い、シーズン中にもかかわらず、被災地訪問も行った。オフには野球教室を行い、12日は試合前日にもかかわらず、選手が小学校を訪問。工藤公康監督も県庁、市役所を訪問し、義援金100万円ずつを送った。

 熊本地震から1年超が経過し、ようやく実現した主催試合。藤崎台球場には1万2922人が詰めかけ、スタンドのほとんどを埋めた。その応援に応えるかのように勝利を掴み、今季2度目となる5連勝。首位・楽天との差を1.5ゲームに詰めた。「とにかく1戦1戦なので。明日いいゲームをして、勝ち越しを手に入れられるようにしたい」と工藤監督。熊本の声援を背に、奪首が目前に迫ってきた。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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