「咄嗟に出た」― 鷹のピンチ救った鉄壁セットアッパーの「神の足」

中田も感謝「神の足に助けられた」

 その後の2死一、二塁はアマダーを3ボールからの4球目で遊ゴロに打ち取り、ピンチを脱出。今季4勝目をつかんだ中田が「岩嵜の神の足に助けられました」と感謝すれば、工藤公康監督は「岩嵜くんが外野フライも許せないところで抑えてくれた。熊本の皆さんが勝たせてくれるかのように、いいところにボールが落ちた」という決死のプレーが、勝利をもたらした。

 ソフトバンクにとって、昨年の熊本地震後、初の被災地での主催試合。試合前日の12日には、選手らが益城町の小学校を訪問。岩嵜も川崎や内川とともに、広安小を訪れた。

「昨日小学校を訪問して、勝利を見せたいと約束したし、熊本の人もそれを願っていたと思う。こういうことしか僕らはできない。昨日、小学校に行って、より強く思いました」。被災地へ勝利を届けたいという思いが、体を瞬時に動かしたのかもしれない。

 絶体絶命のピンチでの登板にも「中継ぎはこういうもの。こういう展開で出て行く方が信頼されている証だと思った」とサラリと振り返った。今季16試合に登板し、8ホールドを挙げ、わずか1失点。防御率0.55の鉄壁のセットアッパーが、右腕と右足で勝利に貢献した。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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