現時点での低迷ぶりは歴史的…最低勝率&100敗の恐れも出てきたロッテ

現時点での低迷ぶりは歴史的…シーズン100敗の可能性も

 ワーストの記録では、「シーズン100敗」の恐れも出てきた。162試合を消化するMLBではシーズン100敗はしばしばみられるが、130~144試合のNPBでは上記にも示したワースト勝率5位の近鉄だけだ。

○シーズン敗戦数ワースト5
年  球団  敗戦数
1961 近鉄  103敗(140試合36勝1分、勝率.261)
1955 大洋  99敗(130試合31勝0分、勝率.238)
1955 トンボ 98敗(141試合42勝1分、勝率.300)
1956 高橋  98敗(154試合52勝4分、勝率.351)
1958 近鉄  97敗(130試合29勝4分、勝率.238)
2005 楽天  97敗(136試合38勝1分、勝率.281)

 ロッテがこのままの勝率でシーズンを終えると36勝106敗1分。従来のNPB記録を更新することになる。このランキングのトンボと高橋は同じ球団。のちに大映と合併、さらにロッテの前身である毎日と合併している。ロッテのルーツの一つであるという見方もできる。

 2005年の楽天は創設1年目、分配ドラフトで各球団から来た選手でシーズンを戦ったが“寄せ集め集団”の苦しさもあり、負け続けた。ワースト勝率も最多敗も、ランキングに入っているのは楽天の例を除けば、他はすべてドラフト(1965年)導入以前。巨人、南海、西鉄などの強豪チームと下位チームの差が大きかった時代だ。

 戦力均衡が進んだ昨今、ここまで負け続けるのは極めて珍しい。ふつうで考えればロッテは今後、もう少し勝率を上げてくると思われるが、現時点での低迷ぶりは歴史的であるということはできるだろう。

【了】

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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