“プロ野球離れ”を防ぐために――パ・リーグが大学で実施した講義とは?

若い世代の男女に興味を持ってもらうために―

 先日、パ・リーグ6球団を代表し、パシフィックリーグマーケティング(以下PLM)が東京都国立市の一橋大学にて「プロ野球パシフィック・リーグとマーケティング」という講義を実施。“プロ野球離れ”が進んでいる若い世代の男女に少しでも興味を持ってもらうという活動の一環として行われた。

 この講義では、なぜPLMができたのかといった設立のきっかけから、PLMが提供している主なサービスについて、そして、講義の要でもある、パ・リーグが6球団合同でやることでのメリットやスポーツ界全体への影響など、PLMマーケティング室室長の荒井勇気氏が約1時間半に渡って熱弁をふるった。

 今回の講義の実現には、「マーケティングとIT」との関係を専門的に研究している一橋大学商学研究科・神岡太郎教授に、PLMがデータ分析の協力をお願いしたという背景がある。教壇に立った荒井氏は「2017年シーズンからパ・リーグTVでも本格的なデータ分析の取り組みを開始しており、学術的な観点を含め神岡先生のお力を多々お借りしています。そのなかで神岡先生から、『今回の講義を通して、若い学生さんの意見も参考に聞いてみませんか?』と素敵なご提案を頂戴したことで、今回の講義を実施することとなりました」ときっかけについて説明する。

 講義の内容は冒頭で示したとおりだが、それ以外にも荒井氏から「球場に足を運んだことがある人」や「その中でもパ・リーグの試合を見に行ったことがある人」などの質問も学生に向けて投げられた。60人ほどが出席した講義の約半数の30人が挙手し、パ・リーグに限定すると、そのさらに半数の15人ほどという結果に。それを受けた荒井氏は「得られているデータからも、パ・リーグが約半数というのは当然の結果。だからこそ、次々に新しいことを打ち出していかなければならないんです」と真剣な眼差しで学生に訴えかけた。

 約1時間半に及ぶ講義の終了後、参加した学生からは、「野球は好きですが、このような色々な試みをされていることは知らなかった」や、「野球に詳しいわけではないが、今日の講義を受けて今後はパ・リーグの取り組みを見ていきたい」などの感想を聞くことができた。

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