藤川球児、衰えない三振奪取力 前人未到のハイペースで“不世出の投手”に

30歳を過ぎても衰えない奪三振ペース

 一般的に、K9は30歳を超えると下落する傾向にあるが、藤川は29歳までのシーズンで11.76(776奪三振、593.2回)、30歳以降のシーズンで11.33(225奪三振、178.2回)とほとんどペースが落ちていない。NPB屈指の奪三振王と言えよう。

 ちなみに藤川は、MLBでの3シーズンでも、10.80(32奪三振、26.2回)という高いK9を記録している。速球とフォークというシンプルな配球だが、球の切れが抜群なのだろう。

 この表には藤川を含めて松坂世代が3人含まれている。また最近の投手も多い。21世紀以降、変化球の進化によって奪三振率は増える傾向にある。しかし、その中でも藤川は別格だ。

 現役では800奪三振以上でK9が9を超える投手が2人いる。

五十嵐亮太(ソフトバンク) 9.90(861奪三振782.1回)
則本昂大(楽天) 9.29(847奪三振820.1回)

 7試合連続で2桁奪三振がかかる則本は、今季中にも1000奪三振に達する可能性があるが、K9のペースでは、藤川には全く届かない。奪三振のペースでは、藤川球児は不世出の投手と言ってよいだろう。

【了】

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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