強力鷹打線封じた中日4年目鈴木、投球内容はホークスにとって“想定外”!?

好投の中日4年目鈴木、工藤監督も称賛「ボールのキレもある」

 手こずった。強力ソフトバンク打線が中日の4年目右腕・鈴木翔太を攻めあぐねた。1日の一戦。8回途中に降板するまで、散発の6安打。6回に柳田が放った9号ソロの1点だけしか奪えず、右腕に自己最長となる7回2/3まで投げさせてしまった。

 この日まで球団記録まで、あと1試合に迫る8試合連続2桁安打、14試合連続本塁打と好調だった鷹打線。楽天にこそ及ばないものの、前日までのチーム打率は.278をマーク。チーム本塁打は12球団トップの58本塁打を放っていた。それがこの日は6安打止まり。金子千尋が投げた5月9日のオリックス戦(ヤフオクD)以来の少なさだった。

 今年プロ初勝利を挙げたばかりの4年目右腕。なぜ、これほどまでに苦戦したのか。工藤公康監督は「映像では見ていたけど、荒れるときもあるけど、まとまっている時はコースに来る。ボールのキレもある投手。いいピッチングをしていた。ヒジの使い方がいいから、タイミングがとりづらかったかな、と」と印象を語った。

 5月9日のDeNA戦(岐阜)こそ無四死球だった鈴木だが、先発した残りの3試合は6、5、5四死球。ホークスサイドは荒れ球タイプと踏んでいた。昨季2軍打撃コーチを務め、鈴木との登板を目にしていた藤本博史打撃コーチはこう言う。

「2軍で見た時と全然違った。コントロール良く、低め低めに丁寧に投げていた。荒れ球だからと、真ん中付近に目付けをしていた。今季の映像を見ても、高めに抜けていたけど、そんな球は今日はほとんど無かった。柳田がホームランにしたようなボールがもっと来ると思っていたが、それが無かった」

 想定していた投手とは、まるで違う姿がマウンド上にあったということか。鈴木が素晴らしい投球を見せたのは間違いない。ただ、それだけでなく、その裏には、ソフトバンク側の誤算もあった。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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