地方球場でしか味わえない魅力、米マイナー&独立リーグが果たす役割

地方の野球を盛り上げるマイナーリーグと独立リーグ

 メジャーリーグでは地方開催の試合はほとんどないが、それと似た役割を果たしているのがマイナーリーグと独立リーグだろう。レベルとしてはメジャーリーグの一歩手前であるトリプルAで、昨年平均観客動員数トップを誇ったシャーロット・ナイツには、平均的に8974人が訪れている。独立リーグでは、ミネソタ州に本拠地を置くセイントポール・セインツが1試合平均8438人のファンを呼び込んでいる。これらと比較すると大宮開催の試合は規模が大きい。

 米国ではマイナーリーグとメジャーリーグがそれぞれの規模に合った楽しみ方を提供しているため、わざわざメジャーリーグの球団が地方で試合を開催する必要性はないとも言える。筆者がマイナー球団で働いていた時は、選手の名前は分からなくても、ファンがわが街のチームを誇りに思い、長年応援し続けているという姿がとても印象的だった。一流のメジャーリーガーたちがいきなり球場を”乗っ取る”ことになったら、彼らにとっては戸惑いの方が大きくなるような気もする。

 その代わり不定期ではあるが、メジャーリーガーが故障などを負った場合には、リハビリ試合に出場するためにマイナーリーグの舞台に帰ってくることがある。もし同チームで育った選手であれば、凱旋試合という特別な雰囲気になる。チーム全体が地方にやってくることはほとんどなくても、スター選手1人を送りこみ、メジャーリーグ傘下としての価値が見出される。

 マイナーリーグはマイナーリーグらしく独自の楽しみ方を提供することでメジャーリーグにはないものを“地元”に与え続けてきている。地方球場の試合でも、ホーム球場では得ることのできない魅力を提供して、今後もファンを楽しませてくれるのではないだろうか。

 日本と同じく米国でも、ホームチームがいない地方で公式戦が開催されることになれば大きな盛り上がりを見せるかもしれないが、マイナーリーグも独立リーグもない場所でメジャーリーグの試合を開催できるような規模のスタジアムは、おそらく大学のスタジアムしか残っていないだろう。とはいえ大学のスタジアムで開催されるメジャーリーグの試合も想像してみると、意外に面白いかもしれない。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」新川諒

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