実況アナが語る日ハムの魅力 大谷は「ボンズ」、大田の打球は「紙飛行機」

巨人から加入の大田には“覚醒の予感”、打球は「フリスビーとか紙飛行機みたい」

 巨人から移籍1年目。9日からの巨人3連戦で10打数7安打、2本塁打を放った大田泰示の大活躍についてはどう感じたのだろうか。ちなみに「1番」で起用された大田が10日にいきなり先頭打者本塁打をバックスクリーンに放った際には「イッツゴーン!」を言いそびれている。

「センターへの打球は距離感がなかなかつかみにくいんです。あれは完全に陽岱鋼の動きに騙されました。ただ、本当に打球が全然落ちてこなかったですよね。フリスビーとか紙飛行機みたいに。

 栗山さんも常に“物語を作ってやる”って言っていますし、それを僕らも放送側でそれをバックアップしていかなきゃいけないと思っています。気持ちよくやってもらうようなアナウンサーでありたいし、プレーに集中できるような実況して、もちろん盛り上げていきたいし。大田選手、空気が変わって、まさに覚醒を待つ、その予感が出てきましたね。これから本来の力をどんどん発揮していくのではないでしょうか」

 近藤さんがホームラン用に使う英語はノリの良い「イッツゴーン!」だけではない。これは日本ハムの選手が打った場合。対戦相手が打った時には、ややテンション低めに「グッバイ(Good bye)」や「シーユーレイター(See you later)」を使うことが多い。

 メリハリの効いた実況は、対戦相手のファンが聞いたらカチンとくるかもしれない。だが、熱い気持ちのこもった個性的な実況が、多くのファンをひきつけていることも事実だ。

【了】

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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