随所で飛び出すビッグプレー ソフトBの安定した強さ支える鉄壁の守備

阪神戦では柳田が美技連発、工藤監督は「柳田くんのダイビングキャッチなんて初めて」

 交流戦4カード連続の勝ち越しを続けているソフトバンク。11日の阪神戦(ヤフオクD)に勝利し、オリックスに並び交流戦首位タイに浮上した。交流戦7本塁打20打点と絶好調の柳田をはじめとする強力な打線が強さの要因としてクローズアップされがちだが、それだけではない。

 11日の試合を振り返る。まず、初回だ。1死から、先発の山田は俊介に右中間への飛球を打たれた。これに、中堅の柳田は猛然とダッシュ。頭から突っ込み、華麗なダイビングキャッチで飛球を掴み取った。

 続く2回。2死一、二塁で、左腕は大和に左前安打を許した。二塁走者は三塁を回り、本塁を狙う。しっかりとバウンドを合わせて打球を処理した左翼の中村晃は、ノーバウンドで捕手の甲斐へストライク返球。間一髪のところで、タッチアウトとなり、生還を許さなかった。

 試合の序盤、しかも、先発の山田は今季初先発。試合の流れを大きく引き寄せ、左腕を助けるビッグプレーだった。10日の阪神戦でも、4回2死二塁で俊介が放った中前安打を掴んだ中堅・柳田が本塁へノーバウンドのレーザービーム。この日は、試合には敗れたが、好プレーだった。

 11日の試合後、工藤公康監督は「柳田くんのダイビングキャッチなんて初めて見ました。晃くんのバックホームも良くストライクを投げてくれた。ゲームが締まるし、投手もしっかりしなきゃとなる」と語った。要所で見せる個々の「守備力」の高さは、ホークスが常に優勝を争うのに、重要な要素となっている。

 今季のチーム失策数は、61試合を消化して、わずか19。12球団でダントツの数字である。ホークスの安定した強さを支える守備力。その力の高さが垣間見える阪神との3連戦だった。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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