広島鈴木の「神ってる」再現サヨナラ弾に…緒方監督「今回は言わないよ」

昨年とオリックス戦で劇的弾、交流戦単独首位浮上で「チームも乗っていける

 広島は14日、マツダスタジアムで行われたオリックス戦に7-6でサヨナラ勝ちした。延長12回、昨季の同カードで2試合連続サヨナラ本塁打を放った鈴木が、今年もひと振りでチームを交流戦単独首位に引き上げた。緒方監督は「今回は言わないよ」と、昨季の流行語大賞「神ってる」は使わず、「最後の最後で4番バッターが大きな仕事をしてくれた」と笑顔で鈴木を讃えた。

 鈴木は「つなぐ意識で打席に入った。(打った瞬間の)感触は良かった。ピッチャーが終盤頑張っていたので、なんとかしたいと思っていた」と、2年続けての同カードでの殊勲打を振り返った。

 6回終了時で5点リードの展開だったが、7、8回に投手陣が失点を重ねて追いつかれた。鈴木は8回に、飛球を「ライトが目に入った」と落球し、同点弾のきっかけを作っていたが、緒方監督は「前に落としているし、イージーミスではない。長いシーズンには、ああいうプレーもある」と鈴木を責めることはなかった。

 シーズン途中から4番に定着し、高いレベルの数字を残している鈴木だが、「丸さんや田中さんが打って、得点圏にランナーがいるのにチャンスで打てていない」と満足している様子はない。この日も「チャンスで一本が出ず、悔しい思いをしていた」という4番だったが、25年ぶりのリーグ優勝のきっかけとなった昨年の再現のような一発に「今日の勝ちはすごく大きい。これでチームも乗っていけるのではないか」と、最後は笑顔を見せていた。

【了】 

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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