ソフトB、「猫の目打線」で起用した「1番・松田」の狙い

「1番・松田」で広島に快勝、藤本コーチ「あれが一番効いたんじゃないか」

 出鼻をくじくには、十分だった。16日の広島戦(マツダ)。ソフトバンクの1番には、前日の巨人戦に続き松田宣浩の名前があった。その第1打席。1ボールからの2球目を捉えた。広島先発のジョンソンが投じた、この日最初のストライク。113キロのカーブを左前に運んだ。

「1番だったので、初回に出られて良かった。そこ(初回)だけだと思っている。1打席目に出れば、送って、ギータ(柳田)なんで。それ以外は打順なんで関係ない」。続く今宮がバスターエンドランで中前安打にはじき返して一、三塁。ジョンソンの暴投と、柳田の左前適時打で2点を先制した。

「マッチがいきなりヒットを打ってくれたら、チームは盛り上がる。あれ(松田の安打)が一番効いたんじゃないか」と評価したのは藤本博史打撃コーチ。試合中から誰よりも声を出し、チームを盛り立てるムードメーカー。その松田が出塁することで、チームの雰囲気、勢いを生み出すことが「1番・松田」の狙いだった。

 15日の巨人は内海、この日の広島はジョンソンと、左投手が先発だった。「明日(17日)は右投手(の野村)。代わると思うよ」と同コーチ。となれば、同様の効果を生み出せるのは、もう1人のムードメーカー・川崎か。内川、デスパイネを欠くソフトバンク。日々姿を変える「猫の目打線」で、先頭打者の果たす役割はいつも以上に大きい。

【了】 

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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