ソフトB松本裕、ローテ残留へ前進の7回2失点 首脳陣評価「可能性広がった」

セ最強の広島に7K好投、投手コーチ「チームとしても収穫ある投球」

 今後に大いなる可能性を感じさせるピッチングだった。17日の広島戦(マツダ)。ソフトバンク先発の松本裕樹投手は7回を投げて5安打2失点。セ・リーグ最強の広島打線から7個の三振を奪う好投を見せた。

「全体的に腕が振れましたし、ストライクも取れました。今日は粘って7回までいけたのは、前回と違うところ」。初回、田中を空振り三振、菊池を遊飛、丸を一飛に打ち取ると3回まで無安打投球。2点リードの4回2死二、三塁からエルドレッドに中前へ2点適時打を運ばれたが、詰まらせ、打ち取った打球。「狙ったところにいって打たれた。あれは僕の力不足。力があれば、内野フライになっていたと思う」と反省したが、長打を警戒して外野の守備位置が深いアンラッキーな部分もあった。

 5回以降は再びゼロを並べ、自己最長の7回まで投げた。チームは敗れたものの、試合後は「力のある打線を相手に7回まで投げられたのは自信になりました。今日のような投球をやっていけば、結果は出るんじゃないかと思いました」とある程度の手応えを口にした。

 今季4度目の先発。5月27日の日本ハム戦(札幌D)は5回途中6失点でKOされ、プロ初白星を挙げた6月3日のDeNA戦(横浜)は6回途中3失点で降板した。同10日の阪神戦(ヤフオクD)では5回4失点でプロ初黒星。納得のいかない投球が続いていた。

「ああいう投球を続けていけば、勝てるゲームは増えてくる」と工藤公康監督もその投球内容を評価すれば、倉野信次投手統括コーチも「可能性が広がった。本人としても、チームとしても収穫のあるピッチングだった」という。

「今日ダメならどうか分からなかった。次が見えてきたかな」と自信を深めた様子の松本裕。故障者続出の台所事情にあって、21歳の右腕がローテに留まる可能性を高めたといえるだろう。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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