どんな助っ人ならNPBで活躍できるのか 敏腕代理人が試行錯誤で学んだ条件

ペタジーニ、ラミレスら日本での成功例を生んだグリーンバーグ兄弟

 日本で実績を残した選手が、必ずしもメジャーで活躍するわけではないように、メジャーで実績を残した選手が、必ずしも日本で活躍するというわけではない。例えば、メジャーで150本塁打を記録したケビン・ユーキリスは、2014年に楽天でプレーしたが、キャリアの終盤ということもあり、故障をきっかけに5月にはアメリカへ帰国してしまった。現在ドジャースのファームディレクターを務めるゲーブ・キャプラーは、2005年に巨人でプレーしたものの、日本の生活が合わずに怪我を理由に途中帰国。後に日本行きを決断したことを後悔する発言をしている。

 一方、メジャーでは活躍の機会を得られなかったが、日本移籍をきっかけにブレイクした選手も多い。かつてのタフィ・ローズやアレックス・カブレラ、現在で言えばウラディミール・バレンティン、マイルズ・マイコラスらが代表例と言えるだろう。日本での彼らの活躍を、いい意味で“サプライズ”と見るメジャー関係者も多い。

 外国人選手が日本で成功するか否かは、事前に予測可能なものなのか。あるいは、蓋を開けてみないと分からないものなのか。現在、西武のメヒアをはじめNPBに6選手、独立リーグには元ソフトバンクのバリオスら3選手を送り込む敏腕代理人、ピーター&エドワードのグリーンバーグ兄弟は「大分見極められるようになってきた」と言う。「野球の能力はもちろんだが、それ以上に気持ちの部分が大きいと思います」と、兄ピーター氏は続けた。

「何よりも大事なのは、日本でプレーしたいという熱意があるか。誰かに勧められたからではなく、本当にプレーしたい気持ちがなければ、長続きはしません。文化や生活様式の違いを受け入れられるか、チームプレーヤーであるか、練習に真面目に参加するか。日本の球団に選手を売り込む時は、技術的な部分以上に、そういった精神面や性格面を重視しています。

 何度か試行錯誤を繰り返しましたが、その選手が日本の野球に合うかどうか、今ではかなり高い確率で見極められるようになりました」

 2人が担当した成功例は、ヤクルトでプレーしたロベルト・ペタジーニ、そして現DeNA監督のアレックス・ラミレスだろう。NPB関係者からは今でも「ペタジーニのような選手はもう1人いないのか?」と迫られることもあるそうだが「ペタジーニは1人しかいません。ああいう選手は滅多に現れるものではないですからね」と笑う。

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