躍進する若手才能集団アストロズ、「チームを引き締めた」存在とは

中南米系選手を束ねる大先輩ベルトランの存在

 昨オフ、チームは早速補強に乗り出す。まずはウエーバーに掛けられていた青木宣親をマリナーズから獲得すると、ヤンキースから捕手マキャンをトレードで補強。さらにベルトランとFA契約が結び、実績もプレーオフ出場経験もあるベテランを加えた。中南米出身の若手野手が多いアストロズでは、中でもプエルトリコ出身ベルトランの加入が効いたようだ。2015年から現職に就くゲイリー・ペティス三塁コーチは「ベルトランの存在がチームを引き締めた」と話す。

「見ての通り、チームの核をなすのは才能ある若手選手。でも、チームが若すぎた。野手の場合、一番経験のあるのがアルトゥーベ。活躍しているとは言え、今季7年目の27歳だし、生え抜きだからプレーオフ経験はない。スプリンガーやコレアに限らず、アルトゥーベもまた手本にするべき“先輩”の存在が必要だったのだろう」

 2015年新人王に輝いたコレアは、1999年新人王の大先輩ベルトランについて「プロとしての在り方を、言葉でも態度でも示してくれる大事な存在」と敬意を隠さない。子供の頃、アストロズやメッツで活躍するベルトランは、文字通り「憧れの人」だった。郷土が生んだ大ヒーローと「一緒のチームでプレーできるとは思わなかった」と話す目は、少年のような輝きを持つ。

「アストロズと契約を結んだって聞いた時は、飛び上がって大喜びしたくらい。だって、あのベルトランだよ。ロイヤルズやメッツで活躍する様子を、いつもテレビで見ていたんだ。

 正直なところ、去年までの僕たちは勢いだけの部分が多かった。でも、勢いだけでは長いキャリアは送れないこと、安定した成績を残せないこと、日々の準備と努力が大切なことを教えてくれている。彼がどんな姿で試合に臨んでいるか、それを見るだけでも勉強になるんだ。

 プラス、迷ったことがあれば、いつでも話を聞いてアドバイスをくれる。カルロス(ベルトラン)、ブライアン(マキャン)、ノリ(青木)という経験のあるベテランが加わったことで、今年は自分たちにも厚みが生まれた気がするんだ」

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