チーム救う火消し役 ソフトB嘉弥真、2軍降格で磨いたシュートが鍵に

投の“リトルヒーロー”に、反省も忘れず「打たれたので」

 28日の日本ハム戦でソフトバンク・嘉弥真新也が好救援を見せた。5回表、同点に追いつかれ、なおも2死満塁というピンチでマウンドに上がると中島卓也を空振り三振に斬り、悪い流れを断ち切った。

「緊張していたが、何も考えずにあそこ(甲斐のミット)に投げ込むだけ」と、思い切って腕を振った。ボールカウント1-2からの5球目、渾身の外へのストレートに中島卓のバットが空を切った。ファール打ちの名人に仕事をさせず、チームの危機を救ってみせた。

「カウントを有利に進められてよかった。アウトが取れればいいと思っていたが、三振でよかったです」と振り返った嘉弥真。
「(巨人に移籍した)森福さんがいなくなって、そのポジションを取ろうと始めた」サイドスローも、すっかり板についてきた。それでも「まだまだメンタルの部分とか駆け引きの部分で及ばない」と、さらなる成長を目指す。

 一時、2軍降格も味わったが、その時は左打者のインコースを攻める投球術を磨き、シュートで勝負できるようになった。「でも、そのシュートを西川(遥輝)に打たれたので」と、6回先頭の西川に浴びたヒットを反省することも忘れなかった。

 この日、打線では身長172センチの川島慶三、170センチの甲斐拓也、172センチの今宮健太が揃ってソロ本塁打を放つ活躍を見せ、最後は175センチのデスパイネが豪快決勝弾。6-5の勝利を引き寄せた。173センチの嘉弥真も間違いなく“リトルヒーローズ”の1人だ。

【了】

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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