ソフトB五十嵐が長期離脱 工藤政権では異例の“登板過多”、救援陣に影響は?

ソフトバンク・五十嵐亮太【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・五十嵐亮太【写真:荒川祐史】

五十嵐は最低2か月離脱へ、勝ちパターンの救援陣へ更なる負担

 痛すぎる負傷だった。11日の楽天との首位攻防第1ラウンド。7回にソフトバンクの4番手として登板した五十嵐亮太投手。2球目を投じたところで、左太もも裏に痛みを訴えて緊急降板。福岡市内の病院でMRI検査を受けた結果。左半腱半膜様筋の損傷で、全治8~12週間と診断された。最低でも2か月の離脱を余儀なくされることとなった。

 五十嵐の離脱は、1人の怪我人が出たということ以上に、チームにとって与える影響は大きい。ただでさえ負担がかかっているリリーフ陣に、更なる負荷をかけることになるかもしれない、ということだ。

 今季、ソフトバンクのリリーフ陣、特に勝ちパターンで投げる投手は登板過多気味になっている。82試合を消化した11日現在で、最多は岩嵜翔の42試合。次いで、五十嵐が39試合、森唯斗が38試合、守護神のサファテが35試合。左キラーとして現在重用されている嘉弥真新也は約1か月の登録抹消期間がありながらも、すでに30試合に登板している。

 首位に立つ楽天を見てみると、最多は守護神・松井裕樹の38試合。ここまで防御率0.00を続ける福山博之が36試合、そしてハーマンが32試合。ソフトバンクに比べて、試合消化が8試合少ないところも影響しているだろうが、30試合を超えているのは、この3人だけである。

 五十嵐は負傷のため離脱となったが、残る4人がこの登板ペースで行くと、143試合終了時点で岩嵜が73試合、森が66試合、サファテが61試合、1か月の登録抹消期間があった嘉弥真でさえ、52試合となる。この登板数、工藤体制となってからのソフトバンクにとっては、異常な数字となっていると言える。

 2015年に就任した工藤公康監督は、中継ぎ投手陣の登板数には、細心の注意を払ってきた。他球団には、1シーズンで70試合以上投げる投手もいる中で、ソフトバンクは、守護神のサファテを除いて、基本的にはシーズン60登板以内に抑えるようにやり繰りしてきた。勤続疲労を防ぎ、長い間、選手に活躍してもらおうという考えあってのことだった。

若手投手が奮闘も…先発陣の負傷離脱が救援陣に影響

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