“平成唯一の3冠王”松中信彦の今 新たな挑戦への第一歩、その心境とは

子供たちを教えることで増える「引き出し」

 その思いを、こう語る。

「自分の中で、プロだけを教えていればいい、というのではいけないという思いがあった。野球教室だけでは長く教えられないし、成長を見ることは出来ない。自分が教えたことで、1か月後、2か月後、3か月後、1年経った時にどういう子たちになっていくのかという楽しみがあるし、それを見たかった。自分が教えるとなると小学生にはどういうことを教えないといけないのか、中学生にはどういうことを教えないといけないのか、という勉強も出来る」

「色々な引き出しも持たないといけない。プロはある程度仕上がっているから、少しのアドバイスで直せるけど、子供たちはそうじゃない。うまく、大きく育てる中で、ポイントポイントを教えてあげないといけない。やりがいはあるし、間違っちゃいけない。自分も勉強していかないといけないと思うし、引き出しも増えていくと思う」

 このアカデミーでは、松中氏が基本に重点を置いたバッティングの技術指導を行い、それに加えて「トータルワークアウト」のトレーナーが、トレーニング方法を教える。

「アカデミーの目標はフルスイングの出来る体作り、フォーム作り。フルスイングでもオーバースイングになってしまったら意味がない。(ソフトバンクの)柳田のようにフルスイングしても、バランス良くフルスイング出来る体作りとフォーム、ヘッドスピードを身につけさせてあげたい」

 3冠王にまで上り詰めた松中氏のバッティングのイロハを、惜しみなく伝えていくつもりでいる。

第2、第3の松中育成へ―、指導者としての第一歩「自分にとっては良かった」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY