目下3冠王のホークス柳田へ高まる警戒心 相次ぐ四球、工藤監督の期待は?

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:荒川祐史】

後半戦初戦で柳田に3連続四球、工藤監督が期待する「怖い打線」

 こういった場面はこれからも増えるかもしれない。17日の西武戦(ヤフオクD)。後半戦スタートとなったこの試合で、目下、3冠王のソフトバンク・柳田悠岐外野手が、次々に一塁へと歩かされた。

 初回2死での第1打席では3ボール1ストライクから四球。3回2死での第2打席もフルカウントからの7球目を選んでの四球となった。5回1死二、三塁で迎えた第3打席では、明らかに西武バッテリーは勝負を避けて、ストレートのフォアボールだった。

 後半戦初戦から、いきなりの3打席連続四球だ。この試合を終え、打率.326、23本塁打、75打点は全てリーグトップ。驚異的な数字を残す背番号9のバットは、相手からしてみれば、脅威でしかない。1発があるだけに、ピンチでなくとも相手バッテリーは際どいところ、際どいところを突いてくることは予想出来る。今後、四球が激増する可能性は十二分にあるだろう。

 となれば、より重要性を増してくるのが、柳田の前後を打つ打者、特に4番の内川、5番のデスパイネの存在。この日、柳田の四球の後に打席に立った内川は初回、3回には凡退したが、5回2死満塁では勝ち越しの中前適時打を放ち、これが決勝打となった。

 工藤公康監督は「そうなる(柳田の四球が増える)だろうなという予測はあった。ああいう場面で1本出ることで、柳田くんが歩かされなくなって、勝負という風になれば。そうなってこそだと思う、クリーンアップは。4、5番がしっかり打っていけば、怖い打線になる。そう出来るようにしてほしいと思います」と言う。

 さらに欲を言えば、1、2番が塁に出ることで、柳田と勝負せざるを得ない形を作ることがで出来れば、それは理想的だろう。走者を置いた状況で柳田が打席に立ち、四球を与えれば、大量点へと繋がるリスクが増す。それだけ相手に与えるプレッシャーも大きくなる。柳田への警戒が極限まで強まる中で、しばらくはここがソフトバンク打線のポイントになりそうである。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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