時に試合の結果を左右する「四球」 打率だけでは測れない貢献度

山田は打率最下位もIsoDはリーグトップ

 セ・リーグはどうだろうか。

1山田哲人(ヤ)0.122
2筒香嘉智(De)0.120
3福留孝介(神)0.108
4糸井嘉男(神)0.105
5バレンティン(ヤ)0.102
6鳥谷敬(神)0.098
7エルドレッド(広)0.092
8中村悠平(ヤ)0.090
9田中広輔(広)0.089
10丸佳浩(広)0.087

 ヤクルトの山田も昨年(0.121)に続いて2年連続でIsoDが1位になっている。今季は打率最下位の.223と不振に陥っているが、各球団の山田への警戒心は強い。同時に山田は打てなくてもしぶとく四球を選ぶ姿勢を維持していると言えよう。

 セ・リーグも筒香、福留、糸井、バレンティン、エルドレッドと強打者が並んでいる。鳥谷敬は現役最多、歴代でも16位の971四球を選んでいる。選球眼の良さはこの打者の大きな強みだ。

 広島の不動の上位打線「たなきくまる」のうち、田中と丸はIsoDが高い。2番の菊池のIsoDは0.043(24位)だが、犠打は現在、リーグ最多タイの22。出塁率の高い打者とつなぐ能力に長けた打者の絶妙の組み合わせであることがわかる。

 IsoDは、普通は報じられない隠れた指標だが、この数値が高い打者を打線にうまく配することで、得点効率は良くなる。今季のペナントレースを制するチームには、必ずIsoDの高い選手が中心にいることだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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