甲子園出場の兄にエールを 侍U-12代表の小6右腕、銅メダルへ4度目先発

侍ジャパンU-12代表・山田脩也【写真:Getty Images】
侍ジャパンU-12代表・山田脩也【写真:Getty Images】

兄は仙台育英で甲子園出場、小6右腕・山田が大会前に交わした約束

 台湾・台南市で行われている「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」。この大会に参加している侍ジャパンU-12代表は連日、世界一を争う中で熱戦を繰り広げている。その若き侍の中に、兄弟の誓いを胸に、懸命にプレーしている小学校6年生がいる。今大会で3試合、いずれも大事な試合で先発を託されている山田脩也(荒町タイガース)だ。

 初戦のチェコ戦でマウンドに上がり、オープニングラウンドの大一番だったチャイニーズ・タイペイ戦でも先発。劇的な逆転勝利に貢献した。4日のアメリカ戦は1回1失点だったが、投手としてだけでなく、内野手としてもグラウンドに立ち続けている。仁志敏久監督は「6年生ですけど、すごく勘のいい子。打っても、守っても、バランス良く、リズム良く出来る子。体は小さいけど、大きくなったらすごくいい選手になれる素質がある」と認め、小学校の先輩後輩にあたるという江尻慎太郎コーチも素質を高く評価している。

 その山田。「お兄ちゃんは甲子園に行って、日本一になる。僕はワールドカップで世界一を取ると約束してきました」と兄弟での約束を胸に、台湾で日々の激戦を戦ってきた。兄は宮城県代表として甲子園出場を決めた仙台育英高校で3番を打つ山田利輝外野手。28日に今大会がスタートした時には、兄が戦う宮城県大会も佳境を迎えていた。

 30日には準決勝・東陵戦が延長15回引き分け再試合に。31日に行われた再試合で兄・利輝は3安打4打点と活躍。決勝の東北戦にも勝利して、見事に甲子園出場を決めた。「お兄ちゃんの試合の結果は、コーチたちに教えてもらっていました。甲子園に出られることが決まって嬉しい」という山田は、兄の活躍を自分のことのように喜んでいた。

「バッティングとか、憧れです」と兄の背中を、ずっと追いかけ続けてきた弟・脩也。侍ジャパンU-12代表はスーパーラウンド3位。決勝進出を逃し、兄と約束した悲願の世界一の夢は叶わなかったが、6日午後2時半(日本時間3時半)からメキシコと3位決定戦を戦う。この一戦で弟は、今大会4度目の先発マウンドに上がる予定だ。ワールッドカップが終わると、今度は兄の甲子園での戦いがスタートする。2大会ぶりの銅メダルを手にし、兄へのエールにする。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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